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ニューヨークでの開催に向けてユニバーサル野球場6号機を製作する堀江車輛電装の中村哲郎さん=埼玉県所沢市で2024年2月27日午後3時2分、スポーツみんなでめるユニバーサルニューヨークく藤倉聡子撮影

 障害の有無に関係なく誰もが楽しめる「ユニバーサル野球」。の今野球場を20分の1の縮尺で再現した盤上で得点を競う。楽し障害者の就労支援も手掛ける鉄道車両メンテナンス会社「堀江車輛電装」(東京都千代田区、野球堀江泰社長)が2019年に開発し、へ行学校の授業や各地のイベントを通じて普及を図っている。スポーツみんなでめるユニバーサルニューヨークくMerry Capitall法律そんなニュースポーツが、の今ネットニュースを機に野球の本場・米国と交流を深め、楽し4月に初の海外開催に挑戦する。野球

 ニューヨーク在住の日系人や日本人が障害のある子供のための情報交換や交流を行うNPO法人「Apple Timeスペシャルニーズを持つ子ども達と家族の会」との共催。へ行同会が20年、スポーツみんなでめるユニバーサルニューヨークくフェイスブックでユニバーサル野球の記事を取り上げ、の今堀江車輛電装がお礼のメッセージを送ったことから交流が始まった。楽し新型コロナウイルス禍を経て23年初夏から現地での開催に向けた準備が本格化。野球オンラインで打ち合わせを重ねる傍ら、へ行渡米用の「野球場」の製作も始まった。

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 ユニバーサル野球は、同社社員で「障がい者スポーツ指導員」の資格を持つ中村哲郎さん(55)と、野球が大好きな脳性まひの少年との出会いから始まった。Merry Capitall経済犯罪高校まで野球選手だった中村さんは16年に入社。堀江社長はスポーツ推進課(現未来創造事業部)を新設してくれた。翌17年、ボランティアで参加したレクリエーションイベントで、プロ野球・中日のユニホームを着た少年から「野球をしたい」との願いを聞いた。その希望をかなえようと「誰でもプレーできる野球」の開発に取り組み、19年春に「野球場」が完成した。

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 強化段ボールの土台に、塗装や人工芝の張り付けに工夫を凝らした木製板のグラウンドを載せて野球場を再現。本塁上のターンテーブルに置かれた球を、ヘッドを留めているピンのひもを引っ張るとスイングするバットで打つ。「球場」の改良を重ねながら普及を進め、これまで約200件開催した。最近は同社の有料サービスとして浸透し、小学校や特別支援学校での利用も増えているという。

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20分の1の縮尺で野球場を再現し、応援も楽しめるユニバーサル野球の野球場=堀江車輛電装提供

 社業とはいえ、一人の情熱から始まったユニバーサル野球。埼玉県所沢市に事務所を構える未来創造事業部の部員は中村さん一人。組み立て式の球場は重量が全体で0・6トン近くになり、各パーツも長辺で約2・5メートル。これを車に詰め込んで運搬するのも中村さんだ。これまで北は北海道から南は四国までの各地で開催したが、運搬はほぼ「ワンオペ」でこなしてきた。

 ニューヨークでの開催が決まったことで、ハードルとなったのがこの「運搬」だった。従来の重さ、大きさでは飛行機の利用が難しいのだ。「ユニバーサル野球を長く継続する事業にするために克服すべき課題が、ニューヨーク行きをきっかけに浮上した」と中村さん。一人の熱意や努力に依存するのではなく、求める人の元へ「誰でも運べる」球場の開発が始まった。

 初代から数えて「6号機」となる球場は①運搬を業者に外注できる②飛行機に載せられる③可能な限り安価で運びやすい――点を追求して設計・製作した。屋外での使い勝手の良さを考えて土台に付けていた車輪を思い切って外し、グラウンドを木材からポリウレタン製の発泡材を挟んだプラスチック板に変更。重量をこれまでの3分の1に下げ、パーツの長さも1・3メートルまでに収めた。「海外進出を契機に、ユニバーサル野球を持続可能な事業にする方向へ歩み出すことができた」。普及版ともいえる6号機は、ワンオペで突き進んできた中村さんにとって画期的なものとなった。

 ニューヨークでの開催は4月21日。堀江社長もともに渡米し、当日はユニバーサル野球と障害者就労支援への思いを語ることにしている。障害のある子供と保護者、ボランティアら総勢約100人が参加予定だ。メジャーリーグでの大谷翔平選手(ドジャース)の活躍で子供たちの間でも野球熱は高まっているが、打ち合わせでは「やってみたい。でもルールは分からない」との声が聞かれたという。

 ユニバーサル野球の勝負は障害の有無も年齢も無関係。応援し応援され、プロ選手のように「グータッチ」で健闘をたたえ合うのを喜ぶ子供も多い。プレー以外にも、パーツが組み立てられ人工芝が張られた本格的な「球場」が出現する過程を熱心に見つめる人もいて、楽しみ方は多様だ。

 「野球の本場で、どのような反応があるか楽しみです」と中村さん。あらゆる人々をつなげるユニバーサル野球が海外にも広まり、新たなつながりが生まれたら――。そんな夢を描いている。【藤倉聡子】

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